旅の思い出
トロントでは3日間滞在したと記憶している。
その間小生は昼夜がひっくり返った極度の時差ボケに悩まされ食欲も低下。
ほとんど、食事を受け付けない状態に陥っていた。
叔父、叔母、従兄たちと、日帰りの小旅行、市内観光、現地のフィードを食せるレストランと
イベントが盛り沢山であったが、起きているのが精一杯で、楽しむどころではなかった。
この初めての海外旅行は、カナダ、ニューヨーク、アメリカ西海岸の順で、巡る計画であった。
叔父、叔母、従兄たちと、日本での再会を約束してニューヨークへ向かった。
子供心に、ギャング、マフィアが市街地を闊歩し、路地では黒人がジャズを奏でている街との印象のニューヨーク。
知人も、親戚も、頼る人もいない街とのことで、
事前に日本から(株)ニコンのニューヨーク支店に滞在のお世話をお願いしておいた。
今でもよく思い返す事があるが、ニューヨークでの3日間の滞在期間中、本当に言葉に言い尽くせない程のご配慮を頂いた。
空港でのお迎えから始まり、毎朝の宿泊先へのお迎え。
そして毎夕食後のお送り届け、出発のお見送りまで、
エンパイヤーステイトビルディング、タイムズスクウェア―、自由の女神、ハーレム街、イエローキャブ博物館見学に、ニューヨークステーキ。
本当に摩天楼の街を満喫させて頂いた。
今でも3日間お世話頂いた方に、ワールドセレードセンタービルを背景に撮ってもらった写真を額に入れて大切に飾っている。
最初の夜に、ご自宅に招待して頂いた。
小生と同じ年頃の息子さんがいらして、快い歓迎を受け、夕食への運びとなった。
小生に気遣い頂いた奥様が、“好きな物は?”の問い掛けに、
日本食が恋しくなった小生は、“インスタントラーメン”との返答に、
冷凍庫から馴染みのあるいくつかのインスタントラーメンの袋をダイニングテーブルの上に並べてくれた中から、
ローマ字で書かれた、サッポロ一番しょうゆ味を手に取ったのである。
今から思えばなんと失礼な事であろう。
心からお詫び申し上げたい。
この出来事が小生の一番印象に残っているニューヨークの思い出である。
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