プライド
ここ数カ月、通貨為替レートでの日本円の高騰のせいであろうか、外国からのお客様の人数が減っているようである。
そんな折、先週ベトナムからのお客様がお越しになられた。
お話を聞くと企業研修で来日されたそうで、頭脳明晰で、几帳面。
それが小生の感じた第一印象である。
その方はデジタル一眼レフを愛用されており、カメラに対する知識にも精通されておられた様子であった。
弊社で、お買い物をして頂き帰り際にご自分の曖気を取り出され、
小生に“撮像素子に異物が付着しているので除去して欲しい”と依頼された。
“簡単に取り除けるのであれば”と試みたが、小生では出来ず、メーカーサービスに依頼する事にしたが、
お客様の日本での日程を伺うと、再度ご来店出来る時間は無いとの事。
それではとカメラを預かり、カメラサービスでクリーニングを行い、
あらかじめお客様から伺っていた日本での日程予定表に合わせて宅配便で送る事にした。
翌日にはクリーニングが完了し、翌々日のお客様の日程に合わせて金沢のホテルに郵送。
その間幾度も経過を電子メールにて連絡。
そして愛機を受け取りましたの連絡。
一安心と思いきや後半文面に、モニターに今迄見た事の無い文字があるとの一節。
あわててメーカーサービスに連絡。
原因はカメラ点検の際に、サービス専用のモードに切り替えて作業を行ったが、解除を忘れたとの事。
撮影するには問題はないが、解除には特別なソフトが必要であるとの事。
対応して頂いた、サービススタッフの方が粋な方で、お客様の都合と日程をお話ししたところ、
お客様の宿泊先迄出向いてくれるとの事。
日程表をもとに日時と場所を決めお客様に連絡。
そして無事完了との連絡が入った。
翌日予定を変更され、お客様がわざわざご来店なさった。
“来年も来日する予定があるので、家族と一緒に来ます”との事。
カメラ王国日本で、その一端の仕事に従事している小生のプライドと、日本の技術者のプライドが成した、
ピンチをチャンスに変えた出来事であった。
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